小海線沿線の城めぐり③/ロングコース

目安時間 約4時間

小海駅 徒歩3分→小諸城址懐古園 徒歩3分→小諸駅 小海線40分→龍岡城駅 徒歩20分→龍岡城五稜郭 徒歩20分→龍岡城駅

城といえば、とかく天守閣ばかりがクローズアップされがちですが、しかし、天守閣ばかりが城ではありません。小海線沿線には、日本でも珍しい特徴を持ったお城があります。日本に2つしかない洋式城郭の「龍岡城五稜郭」と、自然の地形を利用した天然の堀を持つ「小諸城」です。

日本100名城・小諸城

ポイント 日本100名城の一つに数えられる小諸城。小諸城跡というよりは、「懐古園」という名で知られています。遺構として残るのは、三の門、大手門、天守台などがあります。天守台には、かつて三層の天守閣がありましたが、落雷で焼失したといわれています。現在は、野面積みの天守台が往時をしのばせています。小諸城が城として特異なのは、城下町より低い位置に築かれている点です。「穴城」と呼ばれ、きわめて珍しい城郭です。堀は自然の谷を利用し、千曲川の断崖に守られ、堅固な城でした。  起源は、平安時代から鎌倉時代にかけて登場する木曽義仲の武将、小室太郎兼光が築いた館といわれていますが、その後、甲斐の武田氏に支配されます。武田信玄の軍師として活躍した山本勘助が“縄張り”をしたとも伝えられており、本丸跡には勘助が使ったといわれる鏡石が残っています。  城主として知られるのは仙石秀久。小諸城の正門である大手門は、この秀久の時代に造られました。小諸城跡懐古園のシンボルともいえる三の門は、秀久の子、忠政の時代のものです。その後は城主が目まぐるしく変わり、版籍奉還まで牧野氏が城主を務めました。
スポット情報 2067-22-1700(小諸市役所商工観光課)

日本に2つしかない星型の城 龍岡城五稜郭

ポイント 日本国内で西洋式の城郭はたった2つしかありません。一つは函館の五稜郭、そしてもう一つが龍岡城五稜郭です。龍岡城は、慶応3年(1867年)に松平乗謨(のりかた)によって造られた西洋式の城。当時の幕府は城を造ることを禁止していましたが、幕府の重要な役についていた乗謨は特別に許可をもらい、西洋の考え方を取り入れてフランスのリール市の星型の堀を持つ城郭ボーバン城をモデルに築城しました。 藩主の政務と住居をかねた御殿や大手門、東通用門などが完成したものの、堀は三稜堡をめぐるだけで、南西と西側二稜堡を囲む約270mは未完成でした。  わずか4年で明治政府の廃藩置県の布告の下、廃城になり、堀も埋められてしまいました。その後、保存会ができ、堀は復活したものの、太平洋戦争下では、再び堀の水を切り、水田として使われたこともありました。現在、佐久市立田口小学校の校地として使われています。遺構として、御台所と堀が残されています。桜の名所としても知られ、堀沿いの桜が美しく咲き誇ります。
スポット情報 電話:0267-82-0230(であいの館)

平成30年度長野県地域発元気づくり支援金活用事業